空飛ぶ宝石、ハミングバード(ハチドリ)の脳に人間並みの記憶力

空飛ぶ宝石、ハミングバード(ハチドリ)の脳に人間並みの記憶力

胴体は親指大、体重20gというハチドリが3200kmのカナダ、メキシコ間を渡る事実にも驚かされるが、7日発行の「カレント・バイオロジー」誌によると、食料源に関しては、米粒大の小さな脳に人間並みの記憶力が備わっているという驚異が明らかになった。この研究は、アルバータのレスブリッジ大学の研究者によるもので、カナダ西部でよく見られるアカフトオハチドリに時間に関する記憶能力があるだけでなく、人間のみに備わっているとされる「いつ、どこで」を組み合わせた「エピソード記憶」が可能であることを初めて示した。
実験はカナディアン・ロッキーで2000年の6、7月に実施。8つの造花に好物の砂糖水を満たし、同ハチドリが来る回数を追跡した。砂糖水の補充間隔を半分の造花は10分毎、残りは20分毎としたところ、砂糖水の場所と時間をしっかり記憶し10分毎に補充される造花に多く戻ってきたもの。ハチドリの脳にこの種の記憶能力があるのは、長距離の渡りに際し食料探しのエネルギーと時間を浪費しないために発達したものと考えられている。