障害者職業センターでの毎日

 ここは国が運営している障害者向けのリハビリ研究機関である。医療機関というよりも、研究機関としての色が濃く、海浜幕張にある広大な敷地に、ゆったりと、そしてひっそりとそびえている。患者、あるいは参加者は極めて少数で、僕の所属する高次脳機能コースでおよそ8人。参加者の中には寮を使わずに自宅から通うものもあるが、彼らは総じて年齢も高く、4,50代と思われる。彼らは、職を持ち、休職しながら社会復帰を狙っている模様。そうした復職準備組は3人。残りの4人は皆30代で男性、そこにぽつんと一人20代の女の子が一人混じっている。ここの風景はそんな感じだ。今説明した以外にも数名の謎の人物を何度か見かけるが、彼らは別コースの参加者と思われる。数回の邂逅時の印象から言うと、おそらく自閉症か何かそのあたりの疾患だと思われる。
 ちなみにどの障害者も、運動機能にはまったく問題はなく、杖なんかついてるのは僕だけだ、Fuck!目指せ早期杖脱出。暖かくなるころまでには、なんとか杖を卒業しておきたい。是非。
 訓練の内容だが、まだ日が浅く、この後いろいろな変化もあるだろうが、今のところ、伝票を書いたりチェックしたりするロールプレイに終始している。ところがこの単純なことが面白いようにまともにできない。時間がかかる。間違える。惨憺たるものである。正直死にたくなってくる。うすうすわかっていたことだが、こうも見事に見せられると、事態の深刻さがずしりとのしかかってくる。寮での飲酒は硬く禁じられているので、飲み貯めだとばかりに痛飲する。酔いが醒めるとともにぐっと辛くなってくる。

 まてまて、いかんぞ、センターでの生活はあんなに充実していたのに、なんかまたマイナス思考になってきている。今後酔っ払って日記をつける悪い癖を考え直さなくちゃいけない。