例のさびしい爺さんのその後

 例のさびしい爺さんは、僕が怒鳴り込んでからというもの朝はきっちり静かになったものの、一日中テレビを見ては、舌打ちと「バカヤロー」という合いの手を入れていて、うるさくてかなわない。驚くべきことに、爺さんのリアクションは忠実にこの二つに限られている。舌打ちと「バカヤロー」。驚嘆すべき事実だ。つまりこの爺さんにとって、この世界は「チッ!」っと「バカヤロー」だけで構成されているわけだ。何年ぐらいこんな生活を続けていたのだろうか?そりゃ脳病にもかかるはずである。
 あ、ごめん。「チキショー」ってのもあった。三つ。