<ヒトES細胞>羊膜使い神経細胞に!!!!!

<ヒトES細胞>羊膜使い神経細胞に パーキンソン治療に道

 動物由来の培養成分を使わずに、ヒトの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)から高い効率で神経細胞を作り出すことに、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)と京都府立医科大の研究グループが世界で初めて成功した。従来の動物成分を使った培養は感染症などの危険性が指摘され、人への臨床応用のために解決が求められていた。パーキンソン病患者への神経細胞移植など再生医療に道を開く成果。6日の米科学誌「米国科学アカデミー紀要」(電子版)で発表される。
京都大再生医科学研究所が国内で初めてヒトES細胞を作成しており、そのヒトES細胞を使った研究論文の第1号となる。
 ES細胞の培養には増殖や分化を助ける何らかの成分が必要で、研究グループは既に、マウスの骨髄由来細胞を使い、サルのES細胞から神経細胞を作ることに成功。ヒトES細胞から神経細胞を作るため、胎児を包む「羊膜」を活用し、従来は不可能とされていた動物成分を使わない培養に成功した。羊膜は得やすく、外科などでの臨床応用で安全性は確かめられているという。
 羊膜を薬剤処理して、ヒトES細胞を培養したところ、2週間で全体の9割以上が神経細胞になる前の神経前駆細胞に変化。さらに、約4週間の培養で、神経前駆細胞の約4割が成熟した神経細胞になり、うち3割がドーパミンを放出する神経細胞に分化した。また、運動神経細胞や水晶体細胞などを作ることにも成功したという。
 パーキンソン病は、ドーパミンを作る脳の神経細胞が機能を失い運動障害が起こる難病。国内の患者は約10万人とされ、ES細胞からドーパミン神経細胞を作り移植する治療法が期待されている。治療法の確立には、サルを使った前臨床試験の後に、人の臨床試験が必要となる。同研究センターの笹井芳樹グループディレクターは「京大との共同研究で、前臨床試験は始まった。臨床試験は京大で行う予定」と話している。

来た、とうとう来たようだ。要追跡。