「先読み」能力、脳の前頭前野が深く関与


「先読み」能力、脳の前頭前野が深く関与…東北大解明
 将棋やチェスなどで瞬時に数手先まで読むといった「先読み」の能力に、脳の前頭前野が深くかかわっていることが、東北大大学院医学系研究科の虫明(むしあけ)元(はじめ)教授(神経生理学)らのチームの動物実験でわかった。
問題解決の手順を先読みする仕組みが解明されれば、複雑な問題を一瞬で解決する人工知能や、認知症の治療法の開発などに役立つという。

 18日付の米科学誌ニューロン」電子版に掲載される。

 虫明教授らは、コンピューターの画面上の迷路を、3回のレバー操作でマークを移動させてゴールさせるようニホンザルを訓練、その際の前頭前野の神経活動を調べた。

 サルに課題を見せた直後、ゴールに着くまでの1〜3手に関連した3種類の神経細胞が同時に活動した。その後、手順通りに実行する段階では、この3種類の細胞が順番に活動していた。

 前頭前野は大脳の前頭葉の一部で、創造力など高度な脳機能をつかさどり、「脳の中の脳」とも呼ばれる。前頭前野が事故などで傷つくと将来の計画を立てることができなくなったり、同じ動作を繰り返したりするなどの障害が出る。