スーパーソルジャーは舌で物を“見る”?

スーパーソルジャーは舌で物を“見る”?=米研究

12日、米フロリダ州ペンサコラで、実験の前に電流が通じているかどうかをテストするアニル・ラジ博士【AP】
ライブドア・ニュース 04月24日】− AP通信によると、米国防総省から研究委託を受けた米フロリダ州の研究所が、機械からの情報を、舌を通じて脳に送ることで、フクロウのように夜間、360度を“見ることができる”陸軍兵士や、ある種の魚のように水中でソナー(音波探知)能力を持つ海軍兵士を作り出す研究を進めている。
この“スーパーソルジャー研究”を行っているのは米フロリダ人間・機械認知研究所(IHMC)。“感覚代行”研究のパイオニア、米ウィスコンシン大学の神経学者ポール・バック・イ・リタ教授が開発した「ブレイン・ポート」という機械を応用する。「ブレイン・ポート」は、カメラやソナーからの情報を電流に変え、144の電極を舌に接触させることで、直接、脳に情報を伝達する。実験では、視力を持たない人が戸口を見つけたり、人が前を歩くのを感じたり、ボールをキャッチすることもできたという。

  同研究を指導しているアニル・ラジ博士によると、現在は、電子方位磁石と深度センサーの情報を舌から受ける実験を進めている。実際、同博士はプールで自ら実験し、プール内の非常に小さい物体を見つけることができたそうだ。この分野では、水中の犯罪捜査への応用も期待される。ソナーや赤外線カメラの情報を舌で感じ取れる“スーパーソルジャー”誕生までは、機械の小型化などまだいくつものハードルがあるが、磁石と深度のシステムについては5月にもデモンストレーションを行い、早ければ年内にも米軍に採用される可能性があるという。【