初台に戻って治療方針を見なおすの巻

 初台で理事長の診察を受ける。慶応大学病院での先週の大戦果に内心鼻高々だった僕はしかし努めて平静を装った。しかしいずれにせよ理事長の反応は冷淡だった。その理由を聞くと、結局脳が回復している訳ではないので今のように無理に動かしても結局緊張が高まってくるだけのことだと言うのだ。何となくピンとくるものがある。結局脳の回路が回復していないのに無理に手先を動かしていると、脳の中で描いている体の像と現実の像の間にズレが生じ、それに起因して緊張が高まってしまうようなのだ。理事長はそう明言はしなかったがそれとなくそう示した。

 作戦を立て直さなくてはいけないかもしれない。