恩人F夫人が見舞いに

 僕が女子医科大学病院で手術をうける際にご助力下さったF夫人が見舞いに来て下さった。母が通っていた英会話学校のクラスメイトだったのだ。人生何が幸いするかわかったものではない。これを縁とよぶのだろう。
 F夫人はフワフワしたご夫人でいかにもお嬢様然とした方だった。好奇心のかたまりみたいな人で、なかなか失礼な人でもある。恩人じゃなかったらカウンターの毒舌パンチをお見舞していたところだが、相手は何せ命の恩人なのでニコニコとやりすごした。それに、僕はこの手の無神経には免疫がある。っていうか僕もよくこの手の無神経をやらかすのだ。人のフリ見て我がフリなおさなきゃな、親子で。そう、母もだ。