聖者のその後

 ここのところ話題にしていなかった例の聖者の動向について。
1.聖者の手術は完治には至らなかったものの、成功裡に終わり、症状には著しい改善が見られた。
2.彼の美しい妻の甲斐甲斐しい看護が彼を幽閉し、彼と他の患者の交流が少なくなった。ただし飽くまで彼と彼の妻は感じが良い。
3.彼の叔父叔母と思しき連中が足しげく病室を訪れ、特にそのうちの叔父はどうやら生理的に僕を嫌っているようだ。彼から見ると、一日中病室でゲラゲラ馬鹿話している僕をキリギリスタイプの人間と決めてかかっているようだ。まああながち間違ってはいないけれどね。
4.さすがの聖者も、例のいじけた爺さんのことはもうあきらめた様子。無理も無い。人はそんなに簡単に、熱いナイフでバターを切るみたいには扱えない。