人生は、時々晴れ

 南ロンドンを舞台に繰り広げられる切ないホームドラマ。思わず、サリーキーに住んでた頃をありありと思い出してしまった。それぐらい南ロンドンの安っぽさ、陰鬱さを上手に映像にしていると思う。主人公の男はジョントラボルタを二倍に膨らまして齧歯目と掛け合わせたような冴えない面のタクシードライバーsafeway(日本で言えばちょうどイトーヨーカドーみたいなもの)に働く妻は彼にはもったいないほど可憐だが、生活の疲れが滲み出てきている。彼らの二人の子供がまた揮っていて、20の長男は無職の百貫デブ。典型的な引篭もりで家の中で威張ってばかりいる。その妹もやはりデブで、しかし老人ホームで下女として働いており、自分の生活にプライドが持てず、無感動な生活を淡々と送っている。
 そんな彼らがご近所さんたちと織り成す陰鬱な物語。どんなに堕ちても、人は簡単にはプライドを捨てられないところに悲しさがあるというお話。
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