CTの千倍精密に、がんを立体的に表示

CTの千倍精密に、がんを立体的に表示 筑波大など開発
2006年06月13日
 筑波大は12日、高エネルギー加速器研究機構茨城県つくば市)などと共同で開発した高感度のX線CT(コンピューター断層撮影装置)を利用し、マウスのがんやアルツハイマー病の病変部を、従来型のCTに比べて1000倍の精細さで立体的に表示することに成功したと発表した。「見えなかったものが見えてきた」ことで、治療法や新薬の開発の加速が期待できるという。
同大人間総合科学研究科の武田徹講師らのグループは、03年に高感度CTを開発し、改良を進めてきた。今回の研究では、表皮に大腸がんを作ったマウスに抗がん剤を投与し、時間がたつにつれてがん細胞が壊れていく様子を立体的に観察することに成功した。

 また、アルツハイマー病のマウスの脳を調べたところ、この病気の原因物質とされるベータアミロイドが脳内に沈着した斑点を、40〜60マイクロメートルの小さなものまで立体的に観察できた。

 武田さんは「観察にかかる時間を短縮するなどCTの改良を続け、病気のメカニズム解明や新薬開発に役立てたい」と話している。