簡単「青」難解「赤」… リスニング教材 脳内血流で判定

簡単「青」難解「赤」… リスニング教材 脳内血流で判定
岐阜聖徳学園大助教授 「最適」解明
 英語のリスニング(聞き取り)時に脳内の血流量を調べることで、その教材が本人にとって最適かどうかを判断できることを、岐阜聖徳学園大学経済情報学部の大石晴美助教授(英語教育学)が実験で明らかにした。リスニングは「読み書き」に比べると、瞬時に内容を把握することが求められ、本人にも理解できているかどうか判断が難しいが、実験結果は効率的な学習に役立つと期待されている。研究の内容は、6月下旬に豪州で開かれる国際言語テスティング学会で発表される。

 実験は、ラグビーで使うヘッドギアに似た測定装置とコンピューターを組み合わせた「光トポグラフィ」を使用。英語の検定試験「TOEFL」の点数が異なる学生16人に、難易度の違う2種類のリスニング教材を40秒間聞かせ、言語理解をつかさどる左脳の一部の血流量を調べた。その結果、自分の語学レベルよりもはるかに簡単な内容の教材を使った時は、脳の血流の動きは沈静化したままで、コンピューター画面では脳全体が「青」で表示され、はるかに難しい内容の教材の場合には、脳の血流量が増加し、全体が「赤」で表示された。

 また、自分の語学レベルより少し難しい程度の教材を使った場合には、脳内の約6割が「赤色」、残り4割が「青色」と、バランスがとれた状態で表示された。

 大石助教授は「赤色ばかり表示される教材だと、脳が疲れ切ってしまう。今回の実験結果を基にすれば、脳の状態に合わせて、何段階ものリスニング教材を作り出すことができる」と話している。