促通手技

われわれは障害の軽減、特に、損傷を免れたニューロンの可塑(かそ)性(新たな役割を分担)を促進して、脳卒中後のマヒや高次脳機能障害自体の回復を促進するため、脳卒中のラットを用いた基礎研究を重ねてきた。
 さらにタンパク同化ホルモンなどの薬物を用いた治療や温泉・温熱を用いた治療のほか、独自に開発した「促通手技」で意図する運動を誘導して実現させ、徹底して反復させることでマヒの回復を促進させる治療法の研究を行ってきた。
これらの治療法の有効性は国内外で認められ、「促通法」については「片麻痺(まひ)回復のための運動療法」の題で、近日中に発刊される予定だ。
 講習会など、全国への普及を図る取り組みも始まる。長年、培ってきた成果を多くのリハビリ病院で実施してもらい、より多くの患者さんにお役に立てることを願っている。