今、フランスで起こっていること。 

フランス暴動「予見」した本出版 著者にインタビュー
2005年11月13日20時09分
 パリ郊外から暴動が広がったフランスの現状を予見したかのような本が今週、仏国内で出版される。シャルル・ペレグリニ氏の「郊外炎上」だ。治安重視の立場からテレビ解説に引っ張りだこの同氏に聞いた。「ゆうべ書いたのか」と聞かれるが、私がこうしたテーマで「次は内戦か」と題する本を出版したのは90年のことだ。当時と比べても、状況は改善されていない。

 大都市の郊外が荒廃する一因は、国是でもある「平等」精神の曲解にある。大量の移民が郊外に流入し、授業に取り残される子どもが急増した。学校側は授業の水準を落とし、その結果生徒全体が落ちこぼれの意識を抱くようになった。

 こうした少年たちの一部は、暴力とヤミ経済が支配する「独立共和国」を郊外につくった。ここでは、買う金が無いなら盗むか奪うかだ。ナイキ、ソニー、麻薬と何でもそろう。

 ヤミ経済を支配する者はブランド物を身につけている。ポンコツ車で仕事に向かう人の脇で、無職の彼らがベンツに乗る。日替わりの彼女を連れ回す姿を見て、少年たちも同じように盗みに手を染める。ヤミ経済にかかわる若者は、末端の見張り番まで含めこの地域の青少年全体の5〜10%に達する。これが郊外のワルの中核集団だ。

 そこにイスラム過激主義が入り込む。これらの集団の指導者は、正規のイスラム教教育を受けていないもぐりのイマム(導師)だ。彼らはこう説く。「お前の人生は盗みだけか。宗教を尊べば人間として認められるぞ。仲間にならんか」。従うのは少数でも、そこから過激思想が浸透していく。

 歴代の政権は右も左も郊外をもてあまし、導師や少年たちの兄貴分の人物を「仲介役」と位置づけ、政府に協力する体制をつくっている。しかし、社会問題を解決するため国がこのような形で宗教に頼るのは危険だ。今回、フランスのイスラム団体が暴力反対のアピールを出した。しかし、「静まれ」の指令に従う者は「暴れろ」の指令にも従うのではないか。

 郊外問題への取り組みは、まずは「政教分離」を原則として進められるべきだ。混乱が収まった時点で、現場の教員や公務員を国主導で訓練し直したらいい。

http://ja.wikipedia.org/wiki/2005%E5%B9%B4%E3%83%91%E3%83%AA%E9%83%8A%E5%A4%96%E6%9A%B4%E5%8B%95%E4%BA%8B%E4%BB%B6
 これは、もはや単なる一暴動では決してない。既存の社会システムが世界規模で過渡期特有の脆さを露呈しはじめているのではないだろうか?案山子が木偶の坊であることが露呈すれば、その後はもう堰を切ったように混乱が席巻する。僕の大嫌いな民主主義の断末魔を、ともすれば近日中に目撃できるかもしれない。(しかし、まあそう簡単にワンサイドゲームで、事が進行するはずもないからまだしばらくは時間がかかるだろう。まあそれとても時間稼ぎに過ぎないだろうけれど。)