爪がくっつく

 麻痺した手の爪が肉に微妙にくっついてきていることに気がついた。どういうことかというと、爪の生え際の肉が爪の成長に合わせてくっついてきているのだ。この状態で爪を切ると肉まで切れて剣呑だ。
 よくよく観察してみると、要は右手を動かしていないから、爪の生え際の肉がそのまま爪に引きづられているようだ。なるべくくっつかないようにマメに面倒を見てやる必要がありそうだ。
 そういえば思い出したが、昔親父とテニスしているときに、サーブアンドボレーでネット際に詰めている当時中学生だった僕に、親父が渾身の力で放ったショットが親指の爪に直撃して生爪が半分剥げたことがあった。ヤレヤレと思った僕は、駄目もとでその剥げかけた爪をバンドエイドで数週間もとあった場所あたりにしごきつけて置いた、するとみごと元通りに戻ったのだった。まさかこんなに綺麗に治るとは思わなかったが。治したいという一念がよほど強かったのだろう、綺麗にくっつき何の跡も残らなかった。